女の心の再生への葛藤を巧みに描き、
ラストは衝撃と感動につつまれる!
プラスチック工場と自宅を往復する日々の律子は、30代の主婦。彼女の前に妊娠した20代の千夏があらわれたことで律子が心の奥にひそめていた闇の感情があらわになっていく…。
女性の感情を繊細かつ大胆に描ききったのは、『ぐるりのこと。』橋口亮輔、『フラガール』李相日、『かもめ食堂』荻上直子に続く、PFF出身の気鋭、市井昌秀。
前作『隼』は、第28回PFFで準グランプリ、技術賞を獲得、また、香港アジア映画祭にてグランプリを受賞した。そして、本作『無防備』では、見事、第30回PFFにてグランプリ含めた3部門を受賞し、第13回釜山国際映画祭コンペティション部門で最優秀賞に輝くなど、海外でも高い評価をうけ、国際舞台に華々しく踊り出た若手監督として、注目をあつめている。
この作品を手がけようとしたきっかけは、妻の妊娠。
妊婦千夏を演じた、妻そして女優、早苗さんの実際の出産シーンを核に、二人三脚で作り上げた。主人公律子は、市井監督の前作『隼』に引き続き出演する森谷文子。過去の辛い経験から人との関わりを避け心に深い闇を抱えたヒロインを独特の存在感で見事に演じきった。
挫折と絶望の中で、傷つき這いずり回り、立ち向かう女性を描いた本作はわたしたちの心に生きる勇気を与える。
